人的控除・扶養者控除(Exemption)

(注意)2018年より、人的控除・扶養者控除(Exemption)は廃止となりました。

人的控除・扶養者控除(Exemption)とは、自分+配偶者+扶養者の総人数×一定額 (2017年は4,050 ドル)が控除の対象になります。細かいルールは 、米国税法上居住者(Resident)と非居住者(Non Resident)扱いで異なってきます。Exemption という単語が出てきましたが、単にExemption という場合は、一般に頭数で計算する控除のことを指しています。

簡単化すると… (自分自身+配偶者+扶養者)× 4,050ドル (2017年)

以下に詳細のルールを示します。

  •  米国税法上居住者(Resident)の場合

本人・・・納税者自身が他の納税者の扶養者(Dependent)になり得る場合、 納税者自身の控除は利用できません。

・配偶者控除(Exemption for Spouse)・・・年度末に合法的に結婚してい ることが条件となります。夫婦個別申告(Married Filing Separately)の場合は、配偶者に所得がなく、かつ他の人の扶養者(Dependent)でない場合のみ配偶者控除を受けられます。なお、配偶者(Spouse)は扶養者(Dependent)としては扱われません。Spouse とDependent は 米国税法上分けて考えます。

扶養者控除(Dependency Exemption)・・・以下の条件を満たしている場合、扶養者控除が利用できます。ただし、年の途中で誕生、または死亡があった場合やその他諸事情による例外規定もありますので、詳しくは、IRS Publication 501 をご確認頂く必要があります。

(2004年以前のルール)
扶養者(Dependent)に該当するためには以下の5つの条件を満たす必要があります。 また、これを5テストと呼びました。

1.夫婦合算申告を提出していない。
2.1年を通じて住居を共にするか三親等以内の家族であること。
3.米国、カナダ、メキシコの 居住者(Resident)であること。
4.扶養者のGross Income がExemption の額(2004年は3,100 ドル)未満であること。
(ただし、19歳未満の子供と24歳未満の学生である子供には適用されません。)
5.扶養者の50%超の年間生活費を負担していること。

(2005年以降のルール)
扶養者(Dependent)に該当するためには、まず以下の1.A Qualifying Child または、2.A Qualifying Relative のどちらかに該当している必要があります。

1.A Qualifying Child
A Qualifying Child になるためには、以下の4つのテストを満たす必要があります。
(1) 納税者の子供、納税者の子供の子孫、納税者の兄弟、納税者の兄弟の子孫。
(納税者より若いこと)
(2) 課税年度末において19歳未満または、24歳未満の学生。
(3) 課税年度において、半年超主たる住居(Principal Place of Abode)を共にしている。
(年の途中で誕生、死亡があった場合は例外として扱う)
(4) 課税年度において、A Qualifying Child となるべき者が、自身の生活費の半分を超えて負担していないこと。

2.A Qualifying Relative
A Qualifying Relative になるためには、以下の4つのテストを満たす必要があります。
(1) 通年、世帯(Taxpayer's Household)の一員として主たる住居(Principal Place of Abode)を共にしている者または、納税者の子供、子供の子孫、兄弟、両親、その他祖先、姪、甥、叔母、叔父、義理の子供、義理の両親、義理の兄弟に該当する者。
(2) A Qualifying Relative になるべき者のGross Income が、Exemption の額(2016年は4,050ドル)未満であること。
(3) 納税者が、A Qualifying Relative になるべき者に対して、生活費の半分超を負担していること。
(4) A Qualifying Child に該当しないこと。

さらに、上記の1.A Qualifying Child または、2.A Qualifying Relative に該当している場合で、以下の3つのテストを満たした場合に、税法上扶養者(Dependent)となり控除が認められます。

1.納税者自身(夫婦合算申告の場合は、配偶者も含む)が他の納税者にとって扶養者(Dependent) になり得ないこと。
2.扶養者となる者が夫婦合算申告を提出していないこと。
3.扶養者となる者が米国、カナダ、メキシコの居住者(Resident) であること。
(特定の養子には例外あり)

  •  税法上非居住者(Non Resident)の場合

税法上非居住者(Non Resident)として扱われる場合は、米国税法上、日本、韓国、カナダ、メキシコの 居住者(Resident)のみ、控除が認められていました。2005年以降は、米国税法上、韓国、カナダ、メキシコの居住者(Resident)のみ控除可能となっております。

配偶者控除(Spouse)・・・配偶者に所得がない場合のみ控除可能。
(ただし、日本と韓国のResident は、*対象年度のどこかで一緒に米国で暮らしていることが条件になります。つまり一年中別居していた場合は控除が取れません。 また、配偶者が誰かの扶養者として控除されている場合は、配偶者の控除を取ることができません。)

※ 米国税法上非居住者(Non Resident)扱いの方で、適応される租税条約が日本の方(渡米する直前に日本の税法上 居住者(Resident)であった方または、継続して日本の税法上居住者(Resident)である方)に対する配偶者控除は2005年の申告より適用がなくなりました。

*対象年度・・・2004年度のTax Return 場合は2004年

配偶者であることは年の終わり、暦年の場合は12月31日で結婚しているかで判断します。

扶養者控除(Dependents)・・・カナダ、メキシコの居住者(Resident)の場合は、米国税法上の扶養者と同じルールが適用されます。日本と韓国の 居住者(Resident)の場合は、対象年度のどこかで一緒に暮らしている子供である必要があります。子供を強調している理由は、自分の親や親戚などをたとえ経済的に扶養していても 、控除は認められないという意味です。

※ 米国税法上非居住者(Non Resident)扱いの方で、適応される租税条約が日本の方(渡米する直前に日本の税法上 居住者(Resident)であった方または、継続して日本の税法上居住者(Resident)である方)に対する扶養者控除は2005年の申告より適用がなくなりました。

(注意1) 日本と韓国のResident の場合は、米国外から(例えば日本から)の所得がある場合は、配偶者及び子供の控除額が、以下の比例計算で減額されます (2004年)。

3,100ドル×(配偶者+子供の数)×(米国内の所得)/(全世界所得)

(例)Aさんは日本のResidentで奥さんと子供二人で一時的に米国に滞在しています。2004年の米国内からの所得は10,000ドル、日本からの所得が10,000ドルであったとします。Aさんの配偶者及び子供の控除額は、

3,100×3×10,000/(10,000+10,000)=4,650ドル と計算できます。Aさん自身で3,100ドルの控除ができるため、Total Exemption の額は7,750ドルとなります。

※米国内の所得は、正式には 米国源泉所得(U.S. Source of Income) のことになります。

(注意2) 配偶者及び扶養者控除のためには、配偶者及び扶養者は、ソーシャルセキュリティナンバーもしくは、ITIN (Individual Tax Identification Number)を持っている必要があります。ITINの取得に関しては、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 を参照ください。