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 Jビザ研究者のケーススタディ (大学などの教育機関の場合)
  •  J−1ビザで滞在する、大学などの教育機関でTeacher, Researcher として活動の場合
     (旧Treaty Article #19(新#20)の適用、1042S上のIncome Code 18

    (注意) 新しい日米租税条約(2004年7月1日より適用)においても、引き続きこのケースは適用がされると思われます が、2004年3月31日以降渡米された方は、明確な指針が出されていない為、注意が必要です。なお、新しい条約においては、Article #20となります。新日米租税条約については、IRS Publication 901 U.S. Tax Treaties (PDFファイル) を参照ください。


    • ケース1・・・J-1ビザ研究者、 Post Doctoral Fellow などのResearcher で、大学などの教育機関から研究活動に対して所得を得ている、配偶者(J-2ビザ)所得なし、子供2人(J-2ビザ)、入国日2002年5月1日、2005年6月30日まで滞在。 今回の滞在が初めての米国滞在の場合。

     まず、税法上のステータスから整理して考えます。2002年5月1日に入国していることから、F, J, M, Q ビザの特別ルール が適用されますので、Substantial Presence Test のDays of Presence が2002年と2003年の2カレンダーイヤー分0日扱いになり、結果としてNon Resident になります。

     一方、U.S. Tax Treaty に関しては、もし旧Treaty Article #19の条件を満たしているとするならば、入国日より2年間、該当する所得が非課税扱い (Federal Income Tax)を受けます。 日米租税条約に関しては、U. S. Tax Treaty (日米租税条約) を参照ください。このケースまとめると以下のようになります。
     

    年度

    税法上のステータス

    申告内容

    2002年

    米国税法上Non Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

    2003年

    米国税法上Non Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

    2004年

    米国税法上Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税
    (2004年4月30日までの分)

    2005年

    米国税法上Resident

    申告にはDual Status を使う可能性大
    (2005年6月30日までResident 扱い、7月1日以降Non Resident 扱い)

    (2002年、2003年の申告)

     仮に、この教育機関での研究活動からのみ所得を得ている場合は、2002年、2003年の申告においては、Federal Income Tax の課税対象額(Taxable Income)が0になります。従って、扶養者や子供の分の控除(詳しくは、控除について (人的控除・扶養者控除) を参照)をとる必要がありません。いくら控除しても、Federal Income Tax 0には変わりはないからです。従って、この控除のための、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 なども必要ありません。この場合の2002年、2003年の申告書は、1040NR-EZ8843 (本人を含む家族全員分)となります。

     また、2002年、2003年は税法上Non Resident であるため、銀行預金の利子所得(1099INT)は非課税扱いを受けます。1099INTに関しては、申告書本体(1040など)への添付書類 (W-2、1042S、1099、…) を参照ください。

     (注意)1040NR−EZ は 、配偶者及び子供の控除を取る場合には使えず、1040NR を使う必要があります。本ケースでは、結果的に この控除を使わないため、1040NR-EZでの申告が可能です。

    (2004年の申告)

     2004年に関しては、F, J, M, Q ビザの特別ルール が使えませんので、実際の滞在日数がSubstantial Presence Test の対象になり、183日以上滞在しているので、2004年1月1日から米国税法上Resident 扱いになります(2004年の1月1日より継続的に米国に滞在している場合)。その場合の計算式を以下に示します。詳しくは、Non Resident とResident の決定方法 を参照ください。

    2002年 0日 + 2003年 0日 +2004年 実際の滞在日数 ≧ 183

     従って、2004年に関しては、税法上Resident でありながら、入国日より2年間である4月30日までの所得分を 、旧Treaty Article #19を使うことによって非課税所得扱いとします。給与部門が親切な場合は、条約適用期間の4月30日までは1042S、5月以降はW-2のように書類を分けてくれ ることがあります 。これらの書類に関しては、申告書本体(1040など)への添付書類 (W-2、1042S、1099、…) を参照ください。

     そうでない場合、例えばW-2のみの場合は自分で4月30日までの所得を計算し、非課税であることを申告書上で申告します。間違って源泉徴収されている場合は、Refund されるべく申告します。この場合のフォームですが、1040NR+8833、もしくは1040で申告します。特に、1040で申請される場合は税額の面で大きな恩恵を得ることが可能ですが、1040を使うことを選択(税法上Resident 扱いを受ける)して、なおかつ 日米租税条約の恩恵を受けることが可能である 、というきちんとした説明文がIRSに対して必要になります。個人的に申告される場合、IRSから却下される場合があるようなので特に注意が必要です。

     また、2004年に税額が発生する場合は、配偶者・扶養者(子供2人)の控除を取る必要があるため、該当する方がソーシャルセキュリティナンバーを持っていない場合は、この控除のために、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 が必要になります。米国生まれの子供がいる場合は、Child Tax Credit も非常に大きな節税効果を発揮します。Child Tax Credit に関しては、控除について (控除群3: Credit) を参照ください。

     さらに、2004年の初めから、税法上Resident 扱いされるため、J-1ビザでありながらソーシャルセキュリティタックス (FICA, Medicare) の支払い義務が生じます。

    (2005年の申告)

     2005年6月30日をもって日本に帰国したとします。2005年に31日以上滞在していて、Substantial Presence Test を満たしているため、2005年も引き続き税法上Resident 扱いとなります。この場合、税法上のResident 扱いの終了日は、一般に年の終わりの12月31日となります。その場合、日本に帰国してからの所得も米国での申告対象となってしまいます。これを回避するために、帰国日をもって税法上Resident 扱いを終了する旨を記したStatement を申告書に添付し、Dual Status という方法(2005年6月30日までResident 扱い、7月1日以降Non Resident 扱い)を使うことになります。Dual Status に関しては、入国年、出国年の注意点 を参照ください。

     

    • ケース2・・・ケース1と同様のケースで配偶者(J-2ビザ)に所得がある場合

      → J-1ビザの研究者に関しては、ケース1の場合と同じですが、J-2ビザの配偶者に米国源泉所得(U.S. Source of Income) がある場合は、2002年と2003年に関しては、夫婦でそれぞれ 個別に1040NR+8843での申告が必要になります。税法上のステータスは、J-1ビザの研究者と同じになります。また、J-2ビザの場合は、米国税法上Non Resident であっても、ソーシャルセキュリティタックス (FICA, Medicare)の支払い義務が生じます。

       2004年に関しては、少し注意が必要ですが、1040を使った夫婦合算申告(Married Filing Jointly)も可能になります。2005年はケース1と同様に、Dual Status での申告方法を検討する必要があります。


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