フォーム1040や1040NR上のどこで控除などをするか、これを理解することがとても重要になります。これを分かりやすくするために、たくさんある控除項目を以下の4つのカテゴリーに分けます。
・控除群1
AGI (Adjusted Gross Income)の上で控除することから、Above
the Line Deduction と呼ばれます。この項目に含まれる控除は、所得から引き算することで、あたかも所得がなかったかのように扱われます。
ここで引ける代表格は引越し費用(Moving Expense)、教育ローンの支払利息などがあります。
詳しくは、控除について (控除群1:Above the Line Deduction) を参照ください。
・控除群2
控除群2は、税法上のNon
Resident とResident で扱いが異なってきますので注意が必要です。
(米国税法上Resident の場合)
控除群2は、AGIから差し引く本当の意味での控除項目になります。Standard
Deduction (定額控除)とItemized Deduction (項目別控除)の2つの控除の仕方があって、どちらか大きいほうを控除できます。Itemized
Deduction は様々な項目から成り立っている一方、Standard Deduction はFiling
Status によって一定額が決められています。つまり、何もしなくてもStandard Deduction を使うことで一定額の控除が税法上Resident の方には約束されています。
上記のAさんの例では医療費の8000ドル、州税2000ドル、及び寄付金1000ドルは結果的に控除に使えません。理由はStandard
Deduction で9700ドルの控除をした方が、税額を低くできるからです。従ってItemized Deduction に入る項目は常にStandard
Deduction の金額といつも比較して考える必要があります。
(節税のコツ) 例えば、ある年に医療費がStandard Deduction を超えるほどかかったとします。その場合、Itemized
Deduction を使うことが既に決まったといえるので、その他のItemized Deduction の項目をよく調べることによって、うまく節税対策が考えられます。具体的には寄付金、ビジネス費用、職務遂行のための継続教育費用など
、はじめから控除に使えると分かっているわけですので、日々の生活の中での節税対策や、それを考慮に入れた投資計画を考えることができます。
また、Standard Deduction の金額を常に頭に入れておくと参考になるかと思います。
(米国税法上Non Resident の場合)
控除群2において、税法上Non Resident として扱われると、Standard
Deduction を使うことができなくなり、Itemized Deduction のみとなります。また、Itemized Deduction においても、特定の利子費用と医療費の控除ができなくなります。
細かいですが、India とのU.S.
Tax Treaty を使う場合は、Non Resident であっても特別にStandard Deduction が使えます。
(米国税法上Resident とNon Resident の控除群2における違いのまとめ)
詳しくは、控除について(控除群2:Itemized/Standard Deduction) を参照ください。
・人的控除・扶養者控除(Exemption)
人的控除・扶養者控除(Exemption)とは、自分+配偶者+扶養者の人数×一定額が控除の対象になります。細かいルールはやはりNon
Resident とResident で異なってきます。ここでもExemption という単語が出てきましたが、この場合は頭数で控除できる控除のことを指しています。
簡単化すると… (自分自身+配偶者+扶養者)×3100ドル (2004年)
以下に詳細のルールを示します。
(米国税法上Resident の場合)
・本人・・・自分自身が他の人の扶養者(Dependent)として申告されている場合は控除できません。
・配偶者控除・・・年度末に合法的に結婚していれば無条件で控除できます。年度末で離婚していた場合は控除できません。細かいですが、夫婦個別申告(Married
Filing
Separately)の場合は、配偶者に所得がなく、かつ他の人の扶養者(Dependent)でない場合のみ配偶者控除を受けられます。なお、配偶者(Spouse)は扶養
者(Dependent)としては扱われません。Spouse とDependent は分けて考えます。
・扶養者控除(Dependency
Exemption)・・・年の途中で死亡または誕生があった場合でも、扶養者控除の対象になります。ここでいう扶養者に該当するためには以下の5つの条件を満たす必要があります。
また、これを5テストと呼びます。
1.夫婦合算申告を提出していない。
2.1年を通じて住居を共にするか三親等以内の家族であること。
3.米国、カナダ、メキシコのResident であること。
4.扶養者のGross
Income がExemption の額(2004年は3100ドル)未満であること。
(ただし、19歳未満の子供と24歳未満の学生である子供には適用されません。)
5.扶養者の50%超の年間生活費を負担していること。
(税法上Non Resident の場合)
税法上Non
Resident として扱われる場合は、日本、韓国、カナダ、メキシコの税法上Resident のみ、控除が認められています。
・配偶者控除(Spouse)・・・配偶者に所得がない場合のみ控除可能
(ただし、日本と韓国のResident は*対象年度にどこかで一緒に暮らしていることが条件になります。つまり一年中別居していた場合は控除が取れません。)
*対象年度・・・2004年度のTax
Returnの場合は2004年。
配偶者であることは年の終わり、暦年の場合は12月31日で結婚しているかで判断します。
※ 米国税法上Non Resident
扱いの方で、米国税法上日本のResident の方に対する配偶者控除は2005年の申告より適用がなくなります。
・扶養者控除(Dependents)・・・カナダ、メキシコのResident の場合は、米国税法上の扶養
者と同じルールが適用されます。日本と韓国のResident の場合は、対象年度のどこかで一緒に暮らしている子供である必要があります。子供を強調している理由は、自分の親や親戚などをたとえ経済的に扶養していても控除は認められないという意味です。
(注意)配偶者及び扶養者控除を取るためには、配偶者及び扶養者は、ソーシャルセキュリティナンバーもしくは、ITIN (Individual Tax
Identification Number)を持っている必要があります。ITINの取得に関しては、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得
を参照ください。
また、控除について
(人的控除・扶養者控除) も参照ください。
※ 米国税法上Non Resident
扱いの方で、米国税法上日本のResident の方に対する扶養者控除は2005年の申告より適用がなくなります。
・控除群3
控除群3は通常○○Credit と呼ばれているものです。非常に多くのCredit が存在します。特徴は税額を直接減らす働きをします。一般に、普通の控除と違うのは、税率が掛け算された後で
、税金の額を減らす働きをします。例えば、ある人が100ドルCreditが認められるということは、100ドル税金が安くなることを意味します。よく使うものとしては、Foreign
Tax Credit, Credit for Child and Dependent Care Expenses, Education
Credit, Child Tax Credit, Earned Income
Credit などがあります。ユニークなものには、ハイブリッドカーに関するCredit とか、臓器提供のCredit とかかなりの数が存在します。
主なCredit の説明は、控除について (控除群3:Credit) を参照ください。