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米国の税法には、AMT と呼ばれる少し厄介なものが存在します。AMT の計算は多少難解であるため、どうしてAMT を支払う必要があるのか、分からずに支払っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、AMTについてできるだけ分かりやすく説明します。
Regular Tax と AMT (Alternative Minimum Tax)
計算する方法は多少異なりますが、基本となる考え方を説明いたします。まず、米国税法には、Regular Tax と呼ばれる普通の税金と、AMT と呼ばれるちょっと特殊な税金の二つの計算方法がある、と考えると分かりやすいです。Regular Tax に関しては、本ホームページで多く説明しているものです。以下に大まかな両者の比較を示します。
| Regular Tax の計算 | AMT (Alternative Minimum Tax) の計算 | ||||||||||
| 人的控除・扶養者控除 あり | 人的控除・扶養者控除 なし | ||||||||||
| Standard Deduction あり | Standard Deduction なし | ||||||||||
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| Foreign Tax Credit 制限なし | Foreign Tax Credit
制限あり
(暫定AMTの90%まで) ※2005年よりこの制限は廃止されました |
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| AMT用控除(AMT Exemption)なし | *AMT用控除(AMT Exemption)あり | ||||||||||
| Private Activity Bond の利息収入非課税 | Private Activity Bond の利息収入課税対象 | ||||||||||
| Regular Tax の税率 | AMT税率(26 or 28%) |
上記以外には、ビジネス目的の減価償却費(Depreciation)の方法などの点も異なります。上記 2種類の税金の計算方法(Regular Tax とAMT)でそれぞれ税金を計算し、結局のところどちらか大きいほうを払うことになります。例えば、一定額以上の高額所得の人が、人的控除・扶養者控除をたくさんとっていたり、Itemized Deduction に属するその他控除(ビジネス関連費用など)をたくさんとっていたりすると、AMTの計算による税額のほうが高くなり、結果としてAMTが追加の税金として発生する仕組みになっています。要するに、所得が高く控除が多ければ多いほど、Regular Tax での控除を無効にする代替的な(Alternative)税金が発生するということになります。
*AMT用控除(AMT Exemption)の額 (2011年)
Married Filing Jointly
$74,450
Single or Head of Household
$48,450
Married Filing Separately
$37,225
*AMT用控除(AMT Exemption)の額 (2012年)
Married Filing Jointly
$78,750
Single or Head of Household
$50,600
Married Filing Separately
$39,375
*AMT用控除(AMT Exemption)の額 (2013年)
Married Filing Jointly
$80,800
Single or Head of Household
$51,900
Married Filing Separately
$40,400
*AMT用控除(AMT Exemption)の額 (2014年)
Married Filing Jointly
$82,100
Single or Head of Household
$52,800
Married Filing Separately
$41,050
*AMT用控除(AMT Exemption)の額 (2015年)
Married Filing Jointly
$83,400
Single or Head of Household
$53,600
Married Filing Separately
$41,700
ただし、一定額以上の高額所得者はこのAMT Exemption が段階的に減額(Phase Out)されます。
実際のAMT (Alternative Minimum Tax) の計算方法
上記の比較表のように、Regular Tax とは別に、最初からAMTを計算することも可能ですが、実際の申告書上では、Regular Tax の計算結果から、調整(Adjustment)をしていく方法でAMTを求めます。以下は簡略化のために、Foreign Tax Credit への影響は考慮しないものとします。
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Regular Taxable Income |
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± AMTへの調整金額 |
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AMT用のTaxable Income (AMTI: Alternative Minimum Taxable Income) |
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× 26 or 28% −$3,500 ($1,750 if married filing separately) |
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AMT用の税額 (Tentative AMT と呼ばれている) |
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− Regular Tax (ここでRegular Tax と比べる) |
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AMT (もし、0以上の場合) |
上記の計算式で、AMT>0となると、通常のTax に追加として支払う必要が生じます。
(補足: Foreign Tax Credit とAMT)
Foreign Tax Credit を使う場合は、ここでいうRegular Tax に対するForeign Tax Credit と、AMTに対するForeign Tax Credit をそれぞれ別々に計算する必要があります。フォーム1116とAMT用のフォーム1116が必要になります。Foreign Tax Credit に関しては、控除について (控除群3: Credit) に説明してありますので、そちらを参照ください。
重要関連項目