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 Jビザ研究者のケーススタディ (政府機関の場合)
  •  J−1ビザで滞在する、政府機関(NIH, NASAなど)のResearcher の場合
     (旧Treaty Article #20(1)の適用、1042S上のIncome Code 15

    (注意) 新日米租税条約(2004年7月1日以降適用)によって 、上記に該当する条文が大幅に削除されました。新日米租税条約の下では、2004年3月30日現在で、上記の該当者 (旧Treaty Article #20(1)の適用を受けることができる)である場合は、残りの条約適用期間(入国日より5年間)に関して、引き続き条約による非課税所得の適用が可能です。詳しくは、IRS Publication 901 U.S. Tax Treaties (PDFファイル) を参照ください。また、新条約への移行に関しては、新日米租税条約第30条 を参照下さい。


    • ケース1・・・J-1ビザ研究者、 Post Doctoral Fellow などのResearcher で、政府機関から研究活動に対してGrant 扱いの所得を得ている、配偶者(J-2ビザ)所得なし、子供2人(J-2ビザ)、入国日2002年4月1日。今回の滞在が初めての米国滞在の場合。

     まず、税法上のステータスから整理して考えます。2002年4月1日に入国していることから、F, J, M, Q ビザの特別ルール が適用されますので、Substantial Presence Test のDays of Presence が2002年と2003年の2カレンダーイヤー分0日扱いになり、結果としてNon Resident になります。

     一方、U.S. Tax Treaty に関しては、もしTreaty Article #20(1)の条件を満たしているとするならば、入国日より5年間、該当する所得が非課税扱い (Federal Income Tax)を受けます。 日米租税条約に関しては、日米租税条約(U. S, Tax Treaty) を参照ください。このケースまとめると以下のようになります。

    年度

    税法上のステータス

    申告内容

    2002年

    米国税法上Non Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税

    2003年

    米国税法上Non Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税

    2004年

    米国税法上Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税

    2005年

    米国税法上Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税

    2006年

    米国税法上Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税

    2007年

    米国税法上Resident

    旧Treaty Article #20(1)適用 Federal Income Tax 免税
    (2007年3月31日までの分)

    2008年以降

    米国税法上Resident

    日米租税条約適用外

    (2002年、2003年の申告) 

     仮に、このGrant 扱いの研究活動からのみ所得を得ている場合は、2002年、2003年の申告においては、Federal Income Tax の課税対象額(Taxable Income)が0になります。従って、扶養者や子供の分の控除(詳しくは、控除について (人的控除・扶養者控除) を参照)をとる必要がありません。いくら控除しても、Federal Tax 0には変わりないからです。従って、この控除のためのITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 なども必要ありません。この場合の2002年、2003年の申告書は、1040NR-EZ8843 (本人を含む家族全員分)となります。

     また、2002年、2003年は税法上非居住者(Non Resident)であるため、銀行預金の利子所得(1099INT)は非課税扱いを受けます。1099INTに関しては、申告書本体(1040など)への添付書類 (W-2、1042S、1099、…) を参照ください。

     (注意)1040NR−EZ (簡易版)は、配偶者及び子供の控除を取る場合には使えず、1040NR を使う必要があります。本ケースでは、結果的に この控除を使わないため、この場合は1040NR-EZでの申告が可能です。

    (2004年〜2006年の申告)

     2004年に関しては、F, J, M, Q ビザの特別ルール が使えませんので、実際の滞在日数がSubstantial Presence Test の対象になり、この場合、183日以上滞在しているので、2004年1月1日から米国税法上居住者(Resident)扱いになります(2004年の1月1日より継続的に米国に滞在している場合)。その場合の計算式を以下に示します。詳しくは、居住者(Resident)と 非居住者(Non Resident)の決定方法 を参照ください。

    2002年 0日 + 2003年 0日 +2004年 実際の滞在日数 ≧ 183

     従って、2004年以降に関しては、税法上居住者(Resident)でありながら、入国日より5年間である2007年3月31日までの所得分をTreaty Article #20(1)を使うことによって非課税所得扱いとします。この場合のフォームですが、1040NR+8833、もしくは1040で申告します。1040で申請する場合は税額の面で大きな恩恵を得ることが可能ですが、1040を使うことを選択(税法上Resident 扱いを受ける)して、なおかつ日米租税条約の恩恵を受けることが可能である、というきちんとした説明文の添付が望ましいと言えます。

    (2007年の申告)

     税法上居住者(Resident)でありながら、入国日より5年間である2007年3月31日までの所得分をTreaty Article #20(1)を使うことによって非課税所得扱いとします。2007年に税額が発生する場合は、配偶者・扶養者(子供2人)の控除を取る必要があるため、該当する方がソーシャルセキュリティナンバーを持っていない場合は、この控除のために、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 が必要になります。米国生まれの子供がいる場合は、Child Tax Credit も非常に大きな節税効果を発揮します。Child Tax Credit に関しては、控除について (控除群3: Credit) を参照ください。

    (2008年以降)

     税法上居住者(Resident)扱いとして申告します。これ以降の帰国に関しては、Dual Status としての申告が必要になることがあります。入国年、出国年の注意点 を参照ください。

     州税に関しては、それぞれの州により扱いが違います。(詳しくは、州税に関する注意事項 を参照ください)

     NIH NASA などの研究者の場合、メリーランド州は、 日米租税条約による免税が認められない州のため、州所得税の支払い義務が生じます。NIH やNASA では、多くのケースで州所得税の源泉徴収がされないため、 自主的に州に納付(年4回)する必要があります。この場合のフォームは502D となります。

    • ケース2・・・ケース1と同様のケースで配偶者(J-2ビザ)に所得がある場合

       J-1ビザの研究者に関しては、ケース1の場合と同じですが、J-2ビザの配偶者に米国源泉所得(U.S. Source of Income) がある場合は、2002年と2003年に関しては、夫婦でそれぞれ個別に1040NR+8843での申告が必要になります。税法上のステータスは、J-1ビザの研究者と同じになります。また、J-2ビザの場合は、米国税法上 非居住者(Non Resident)であっても、ソーシャルセキュリティタックス (FICA, Medicare) の支払い義務が生じます。


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