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 H1Bビザ研究者のケーススタディ
  •  H1Bビザで滞在する、大学などの教育機関でTeacher, Researcher として活動の場合
    旧Treaty Article #19(新#20)の適用

    (注意) 新日米租税条約(2004年7月1日以降、渡米された方へ適用)の下で、この条約を利用するためには、継続して 日本の税法上 居住者(Resident) に該当している必要があります。従って、 日本で公務員の方、またはあらかじめ契約などによって、米国滞在予定が1年以下である方以外は、事実上この条約の適用はなくなると思われます。なお、新しい条約においては、Article #20となります。新日米租税条約については、IRS Publication 901 U.S. Tax Treaties (PDFファイル) を参照ください。また、これに関して納得がいかないという方は、新日米租税条約第20条についての考察 も参照頂ければと思います。新条約への移行に関しては、新日米租税条約第30条 を参照下さい。


    以下のケースは、旧日米租税条約の場合(2004年3月30日以前に渡米の方)のケースとなります。

    • ケース1・・・H1Bビザ研究者、 Post Doctoral Fellow などのResearcher で、大学などの教育機関から研究活動に対して所得を得ている、配偶者(H-4ビザ)所得なし、子供2人(H4ビザ)、入国日2002年8月1日、2005年6月30日まで滞在。 今回の滞在が初めての米国滞在の場合。

     まず、税法上のステータスから整理して考えます。H1Bビザでの入国のため、F, J, M, Q ビザの特別ルール が適用されませんので、Substantial Presence Test の適用を米国入国日より受けることになります。2002年度の滞在日数が183日に満たないため(米国入国8月1日)、2002年のみ税法上Non Resident の扱いを受けます。これが183日以上の場合は、2002年もResident の扱いにかわります(ケース2)。詳しくは、居住者(Resident)と 非居住者(Non Resident)の決定方法 を参照ください。

     租税条約(U.S. Tax Treaty)に関しては、もし旧Treaty Article #19の条件を満たしているならば、入国日より2年間、該当する所得が非課税扱いを受けることができます (Federal Income Tax)。日米租税条約には、 一般にビザの種類の記載はありません。H1Bビザでも、条約適用の条件を満たしていれば、免税の恩恵を受けることができる可能性があります。日米租税条約に関しては、日米租税条約 (U. S, Tax Treaty) を参照ください。このケースまとめると以下のようになります。
     

    年度

    税法上のステータス

    申告内容

    2002年

    米国税法上Non Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

    2003年

    米国税法上Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

    2004年

    米国税法上Resident

    旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税
    (入国日より2年間、2004年7月31日までの分)

    2005年

    米国税法上Resident

    申告にはDual Status を使う可能性大
    (2005年6月30日までResident 扱い、7月1日以降Non Resident 扱い)

    (2002年、2003年の申告)

     仮に、この教育機関での研究活動からのみ所得を得ている場合は、2002年、2003年の申告においては、Federal Income Tax の課税対象額(Taxable Income)が0になります。従って、扶養者や子供の分の控除(詳しくは、控除について (人的控除・扶養者控除) を参照)をとる必要がありません。いくら控除しても、Federal Tax 0には変わりないからです。従って、この控除のためのITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 なども必要ありません。この場合の2002年の申告書は、1040NR-EZ となります。

     また、2002年は税法上非居住者(Non Resident)であるため、銀行預金の利子所得(1099INT)は非課税扱いを受けます。1099INTに関しては、申告書本体(1040など)への添付書類 (W-2、1042S、1099、…) を参照ください。

    (注意)1040NR−EZ は 、配偶者及び子供の控除を取る場合には使えず、1040NR を使う必要があります。本ケースでは、結果的に この控除を使わないため、この場合は1040NR-EZでの申告が可能です。

     2003年以降に関しては、1040NR+8833、もしくは1040で申告します。特に 、1040で申請される場合は税額の面で大きな恩恵を得ることが可能ですが、1040を使うことを選択(税法上居住者(Resident)扱いを受ける)して、なおかつ 日米租税条約の恩恵を受けることが可能である 、というきちんとした説明文の添付が望ましいと言える。

    (2004年の申告)

     2004年以降に税額が発生する場合は、配偶者・扶養者(子供2人)の控除を取る必要があるため、該当する方がソーシャルセキュリティナンバーを持っていない場合は、この控除のために、ITIN (Individual Tax Identification Number)の取得 が必要になります。米国生まれの子供がいる場合は、Child Tax Credit も非常に大きな節税効果を発揮します。Child Tax Credit に関しては、控除について (控除群3: Credit) を参照ください。

    (2005年の申告)

     2005年6月30日をもって日本に帰国したとします。2005年に31日以上滞在していて、Substantial Presence Test を満たしているため、2005年も引き続き税法上居住者(Resident)扱いとなります。この場合、税法上の居住者(Resident)扱いの終了日は、一般に年の終わり12月31日となります。その場合、日本に帰国してからの所得も米国での申告対象となってしまいます。これを回避するために、帰国日をもって税法上 居住者(Resident)扱いを終了する旨を記したStatement を申告書に添付し、Dual Status という方法(2005年6月30日まで 居住者(Resident)扱い、7月1日以降非居住者(Non Resident)扱い)を使うことになります。Dual Status に関しては、入国年、出国年の注意点 を参照ください。
     

    • ケース2・・・ケース1と同様のケースで、入国日2002年4月1日 の場合。

       2002年の米国滞在日数が183日以上(米国入国4月1日)であるため、2002年から 、Substantial Presence Test を満たし税法上Resident の扱いを受けます。

年度

税法上のステータス

申告内容

2002年

米国税法上Resident

申告にはDual Status を使う可能性大
旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

2003年

米国税法上Resident

旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税

2004年

米国税法上Resident

旧 Treaty Article #19適用 Federal Income Tax 免税
(入国日より2年間、2004年3月31日までの分)

2005年

米国税法上Resident

申告にはDual Status を使う可能性大
(2005年6月30日までResident 扱い、7月1日以降Non Resident 扱い)

(2002年の申告)

 入国の年から税法上 居住者(Resident)扱いになる場合です。この場合は、一般にDual Status としての申請となります。ただし、年末において結婚していて、夫婦合算申告(Married Filing Jointly)を使う場合は、一定の条件を満たした場合、通年米国税法上Resident 扱いをうけることも可能です。Dual Status に関しては、入国年、出国年の注意点 を参照ください。

(2003年以降の申告)

  基本的にケース1と同様に考えることができます。

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