上記1、2のうち、どちらかを満たすと税法上Resident として扱われます。ここで終われば話は簡単ですが、F, J, M, Q ビザのTeacher,
Trainee 及びStudent には例外ルールがあります。
Exempt Individual
という用語は、IRSのPublication などを読んでいるとよく出てくる用語ですが、これを免税(Tax
Exempt)と解釈してしまうとよく分からなくなってしまいます。米国税法では、同じ単語を誤解しやすい場面で使うことが多いため、多少難解になっていたりします。ここでは、Exempt
Individual についてできる限り分かり易く説明します。
Exempt Individual とは、F,
J, M, Q ビザのTeacher, Trainee または 、Student に該当する場合、ある一定期間、Substantial
Presence Test の適用が免除されるルールが適用される納税者のことをさしています(Exempt
from Substantial Presence Test)。これに該当する場合は、Substantial Presence Test
で使用する滞在日数が0日扱いとなり、結果として税法上Non Resident として扱われます。 この場合、たとえ米国源泉所得(U.S.
Source of Income) がなくても、フォーム8843
を申告期日までに提出する義務が生じます。また、フォーム8843
の提出は、Exempt Individual に該当する方の直接的な家族全員分(J-2やF-2ビザで一緒に渡米している家族分)必要になります。以下にExempt
Individual として扱われる期間を示します。
・J, Q ビザTeacher
または、Trainee (Researcher)の場合
2カレンダーイヤー(入国日を含む年とその翌年)分
、フォーム8843 を提出する(提出義務があります)ことによって、Substantial
Presence Test が免除され、結果として税法上Non Resident として扱われます。これには一般にResearcher
も含まれます。ただし、過去の6カレンダーイヤー(申告する年を除く)のうち2カレンダーイヤー分、既にTeacher, Trainee
または、Student として、Exempt Individual の扱いを受けている場合は、Exempt Individual
と扱われません。しかし、過去の6カレンダーイヤーのうち、Teacher, Trainee または、Student として、Exempt
Individual の扱いを受けたのが3カレンダーイヤー以下であり、申告する年及び過去の6カレンダーイヤーにおいて、米国外の雇用主からのみ、その活動に対する所得を得ていた場合は、特別にExempt
Individual として扱われることができます。その際には、フォーム8843
に補足の情報を添付する必要があります。
(注意)
カレンダーイヤー・・・たとえ米国入国が年の途中であっても、あたかもその年一年中(1月1日から12月31日まで)滞在していたかのように扱う方法です。従って、仮に年末12月31日から滞在したとすると、たった一日でも丸一年滞在していたかのように年数を数えます。○年間という年数の数え方と区別するためにカレンダーイヤーという言葉を使います。
(例)2001年12月31日から2カレンダーイヤー:
2001年1月1日から2002年12月31日まで
2001年12月31日から2年間: 2001年12月31日から2003年12月31日まで
・F, J, M, Q ビザStudent
の場合
5カレンダーイヤー分、フォーム8843
を提出する(提出義務があります)ことによって、Substantial Presence Test が免除され、結果として税法上Non Resident
として扱われます。
上記の説明では分かりにくいと思いますので、具体例を示しながら解説します。
(例1)JビザResearcher 2001年1月1日入国の場合
→2001年、2002年の2カレンダーイヤーがExempt Individual となり、Non Resident
扱いになります。2003年には、Substantial Presence Test の適用を受け、183日以上滞在した場合は、Resident
扱いになります。この場合(2003年)のSubstantial Presence Test の適用の計算式は以下のようになります。
2001年 0日 + 2002年 0日 +2003年 実際の滞在日数 ≧ 183
(例2)JビザResearcher 2001年12月31日入国の場合
→2001年に一日しか滞在していないのにもかかわらず、2001年、2002年の2カレンダーイヤーがExempt Individual
と扱われ、2003年に183日以上滞在した場合は、例1と同じく2003度からResident 扱いになってしまいます。
F, J, M, Q ビザのTeacher,
Trainee 及びStudent は、ある一定期間、Exempt Individual
として扱われます。これは免税を意味するのではなく、Substantial Presence Test がフォーム8843
の提出(提出義務があります)により免除され、税法上その期間は滞在日数に関わらずNon Resident として扱われることを意味します。ちなみに、Non
Resident = 免税とはならず、一般には、Resident 扱いのほうがTreaty
による免税以外の面で優遇されています。さらにこの規定は米国税法上のものであって、U.S. Tax Treaty
(日米租税条約)とは別の話であると理解する必要があります。決して、JビザTreaty などのように混乱 されないようにして頂ければと思います。
・Exempt Individual = 一定期間Non Resident
として扱われる(フォーム8843の提出義務あり)
・Non Resident ≠ 免税
・F、J、M、Qビザの特別ルール ≠ U.S. Tax Treaty (日米租税条約)