米国税法上の非居住者(Non Resident)と居住者(Resident)扱いの違い

ここでは、非居住者(Non Resident)と居住者(Resident)の米国税法上の扱いの違いを説明します。両者はフォームの記入方法ばかりでなく、控除の種類や税率など多くの違いがあります。フォームの自体はなんとなく似ているところがありますが、両者の違いを理解することは、特にF, J, M, Q ビザで数年間滞在する方には注意が必要です。
1.一般に、米国源泉所得(U.S. Source of Income)のみ課税されます。(厳密にはECIとUS Source Non ECI)
(注意)米国税法上非居住者(Non Resident)扱いの場合は、Income が以下の2つのカテゴリーに分類され、異なる税金の計算ルールが適用されます。
・ Income Effectively Connected with a U.S. Trade or Business (一般に就労所得など)
・ Income Not Effectively Connected with a U.S. Trade or Business
(一般に投資所得など、1040NR Page.4)
2.一般に租税条約(Tax Treaty)が利用可能です。
詳細は、U. S. Tax Treaty (日米租税条約)を参照ください。
3.たとえ配偶者と一緒に申告していても(配偶者に所得が無い場合)、夫婦個別申告(Separate)の税率が適応されます。 詳細は、Filing Status についてを参照ください。
4.定額控除 (Standard Deduction) が使えずに、限定された項目別控除 (Itemized Deduction) のみになります。通常米国一時滞在者は、State Income Tax くらいしか控除対象にならないことが多いです。詳細は、控除について (控除群2: Itemized /Standard Deduction)を参照ください。
5.配偶者と扶養者の人的控除は、認められておりません。
6.銀行預金の利子所得(1099INT)は非課税扱いを受けます。1099INTに関しては、申告書本体(1040など)への添付書類 (W-2、1042S、1099、…)を参照ください。
7.F, J, M, Q ビザのTeacher, Researcher, Trainee, Student に該当する方は、家族も含めて、所得がなくても
フォーム8843を毎年提出する義務があります。
8.F-1、J-1、M-1、Q-1ビザで非居住者(Non Resident)として扱われる期間は、ソーシャルセキュリティタックス(FICA, Medicare)が免除されます。F-2、J-2、M-2、Q-2ビザの方は免除になりません。詳しくは、
ソーシャルセキュリティタックス(FICA, Medicare)を参照ください。
  • 米国税法上居住者(Resident)
    1.米国以外(全世界から)の所得も課税されます。
    2.夫婦合算(Joint Return)が使えます。詳細は、Filing Status についてを参照ください。
    3.定額控除(Joint: $24,000 Single: $12,000 2018 年)と項目別控除 (Itemized Deduction)のどちらか大きいほうを使えます。詳細は、控除について (控除群2: Itemized /Standard Deduction)を参照ください。
    4.医療費控除及び特定の利子費用の控除が可能です。ただし、項目別控除(Itemized Deduction)を選んだ場合のみで、 医療費に関しては、AGI (Adjusted Gross Income) の7.5%を超える額を控除できます。従って、高額所得者ほど、控除できなくなります。 詳細は、控除について (控除群2: Itemized /Standard Deduction)を参照ください。
    ちなみに、処方箋のない薬代は医療費として認められません。
    (例)AGI(簡単なケースでは給料の額) 10万ドル×7.5%=$7,500 を超える医療費?
    この例から、なかなか医療費は引けないものです。
    5.その他の控除などが使えます。税法上居住者(Resident)扱いでよく使う主な控除を以下に示します。
    ・Child Tax Credit ・Earned Income Credit ・Tuition and Fee Deduction ・Education Credit など 詳細は、控除について (控除群3: Credit)教育費をうまく使うを参照ください。
    6.たとえF-1、J-1、Q-1、M-1ビザであっても、米国税法上居住者(Resident)扱いされると、ソーシャルセキュリティタックスの課税対象になります。詳細は、ソーシャルセキュリティタックスなど (FICA, Medicare)を参照ください。

  • まとめ
    以下に日本人が非居住者(Non Resident)扱いされた場合と居住者(Resident)扱いされた場合の、控除面での違いをまとめます。あくまでも一般例ですので例外も生じます。

上図の詳細説明は、税金の計算方法を参照ください。